水際で防ぐ

昨日(4/6)の下野新聞の一面に、こんな記事が。

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– 奥日光・戦場ケ原 湿原脅かす外来植物の影 周囲で新たに16種確認 –

記事によれば…(斜体字抜粋)
環境省が戦場ケ原の周辺を調べたところ、三十年前に比べ、十六種の外来植物が新たに確認された。(中略)ここ数年で急速な広がりを見せるなど、湿原を脅かす種もある。そんな危機感から地元住民は行動に移すが、一方で行政の足並みはまだそろっていない。 (中略)環境省は昨年、ハルサキヤマガラシについても除去に乗り出した。だが県は「地元住民にどんな形で協力できるか」と、対策についてはいまだ「検討段階」という。地元・日光市も同様に今のところ除去作業などを行う予定はない。

・・・今に始まったことじゃないよね??
検討中なんて言っているうちに、手遅れになっちゃうよ?
オオハンゴンソウやフランスギクなんて、いい見本があるじゃないのさ。
国立公園内、しかも特別保護地区内じゃ【有志によるボランティアの除去】なんて訳にゃいかないんだから、行政が旗振ってくんなきゃ!

前に鳥取にいた頃も似たような話があったんだ。
オイラがいた鳥取大山の山頂にはダイセンキャラボクが群生していて、一帯は特別保護地区なんだけど、そこにも外来種が沢山。
で、地元の良く知っている人(お役所にも顔が通り、植物も熟知している人)が除去活動しようとしたら、お役所がNO!って。

事情はわかるんだ。
個々が勝手に除去活動を始めたんじゃ、盗掘との別が付きにくいし、事情を知らない人が見たら草花を持って帰って良いという誤解を与えてしまうから。
だったら行政が看板掲げてやらなきゃダメさ。
大山ではその後、山頂の外来種除去は行われたけどね。

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話を奥日光に戻すと、だ。
奥日光では記事にもあるように、昔からオオハンゴンソウなどの除去を続けている。
それは事実だけれど、一方でいろんな物を植えているんだよね。
古くはルピナス、最近じゃクリンソウが代表格。
クリンソウなんて、千手ヶ浜で人気になっているからなんて理由みたいなんだけど、このクリンソウ、最近じゃ湯川の中州や光徳沼の奥、西ノ湖の畔なんて人が植えそうもない場所でも見られるようになってきた。
って事は、人の管理の手を離れて拡がっている。って事なんだろうさ。

そもそも、千手ヶ浜のクリンソウが人気って言ったところで、メディアに取り上げられたり口コミで広がったりして、周辺の環境と相まって「クリンソウの大群落」とか「クリンソウの自生地」なんて言われているけど、所詮民家の庭先に植えられたもの
民家が管理する分にゃオイラが口出す話じゃないけれど、管理しきれず逸失して、元々の生態系を犯し始めているのに、【観光資源】ってありがたがるなんて、オイラにゃ理解できないなぁ…
その内、本来この土地が持つ観光資源が無くなる可能性だってあるだろうに。

え?
オイラの5~6月のツアーはそれを当てこんでいるんじゃないのかって?
そりゃそうさ。
こう言う話をする為に組んでいるツアーなんだから。
ガイド役の伝えたいことを伝える為に組むのがガイドツアー、只の道案内とは違うのさ。

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また話が横道に逸れたけど、オオハンゴンソウだって昔は「きれいだから」ってんで植えていたはず。
そして、それが良くないと気づき30年以上除去を続けながら、オオハンゴンソウは未だ無くならない。

日本原産か否かに依らず、その地域に無い物は出来るだけ入れないようにすべきだと思うなぁ。
拡がってからじゃ手遅れだって。

そうしないと、同じ轍を何度も何度も踏むことになると思うけどなぁ。
三部作完!…?はここに繋がっています。)

参考まで。(環境省サイト)
– しってるかな?外国からやってきた生き物たち –
– 外来生物法 –