開山延期の男体山で遭難救助

実に残念なニュースだ。

入山禁止の栃木の山で遭難 川崎の25歳、ヘリで救出

・ 2020年5月2日 
・ 裏男体山 北 423m付近(日光市消防)
・ 川崎市の男性 単独
・ 下山途中に道に迷い、靴をなくす
・ 消防および防災ヘリが出動、標高2200m付近でホバリング
・ 15:11頃救助(日光市消防)
・ 電車とバスを利用して移動していた

先日も男体山の開山延期を記事にしたばかりだというのに。
出来れば、「登山者は皆素晴らしかった。私の杞憂・妄想に過ぎなかった。申し訳なかった。」で終わりたかったなぁ。
 
ツッコミどころは色々あるけれど、置いておいて、と。


過去、幾度も類似のことを書いているけれど、もう一度。

自らの属するカテゴリーを印象付けるのは、各々の行為以外に他ならない。

皆が積み上げる善行よりも、ごく一部の悪行がイメージを作ってしまうのは人の世の常。



こんなニュースがあるたびに、
「不届きな奴を特定しろ!」
「ペナルティを与えろ!」
なんて声が上がる。
 
既に、この件でもネット上にはそんな書き込みがあるけれど・・・

必要なことは違うよね?

終わった後に、さも当然と、安全範囲から正義をふりかざすのではない。

起きる前に止めるんだ。

もしも、このニュースを知り、
「山屋のイメージを損ねてけしからん!」と思うなら、見知らぬ誰かを罰せよと叫ぶのではなく、自身の仲間内に声をかけてみない?
 
会ったこともないエラい誰かの言うことは聞きたくなくても、家族や友人の声なら、「アイツが言うなら止めておこう」と思えるでしょ?
 
「わかってるよ、そんなこと」と言われるかも知れない。
でも、そのくらい良いじゃない。


「自粛続きでは息が詰まる。」
「家にいてもやることが無くてストレスがたまる。」
「家の中ばかりでは可哀そう。たまには外で遊ばせてあげたい」
 
報道で取り上げられる人々は、こんなことを言っている。
その感情は理解できる。

「だから、出かけるんだ。」
ちょっと待って欲しい。
 
その行動は、
「自分のストレスを、リスクと共に他の誰かに押し付けている」行動だ。

見知らぬ土地の、見知らぬ相手にも、守りたい相手がいるはずなのだから。



5月に入って連日、奥日光には、多くの車やバイクが走っていた。
事故で車両が破損した痕もあった。
彼らが事故に会えば、これもまた救助をしなければならない。
救助に対して自己責任論は成り立たない。
 
「コロナでストレスが過大だからリフレッシュが必要だ」
 
今、もっともストレスを抱えているのは、医療従事者の方たちではないだろうか。
 
自分も感染するリスク、家族や親しい人たちに感染させうるリスクに怯えながらも、その誇りをもって看護にあたっているであろう方たち。
その身を守るための防護具すらままならない中で現場に立つ姿も報道されている。
 
そんな人たちは、このGWの外出狂乱を見てどう感じるだろう?
 
物理的にも、心理的にも、これ以上の負荷をかけてはならないのではないかな。


もしかしたら、こんなことを書くと、また好き勝手を言って!と怒る人もいるのかもしれない。

それでも、このブログを読んでくださっている方たちは、どのカテゴリーに属する人であっても、良識的で理性的な人であると思っている。
 
それこそ、
「わかってるよ!そのくらい!」だね(笑)
 
だからこそ、お願いしたい。

あなたの周りの人に、声をかけてください。

今はやめよう、と。
落ち着いたら、共に行こう、と。

きっと今、私たちにできるのはこのくらいだ。


今年は4月に雪が多くてどうなるかと思っていたけれど、この陽気で急加速。
5/3の朝にはアカヤシオが咲いていた。

来年も、再来年も春はくる。
季節は巡る。
植物だって、冬を耐えて花を咲かせる。
いずれ、経済を回し始めなければならない、その時が来る。
その時に、少しでも安心して生活を営めるようにしたいじゃない?

今日はオヤスミなので、タイマー投稿。
積読になってる資料でも漁るかな。